5/17 ハスカップ自生地探検隊

自生地ハスカップサンクチュアリは近年ヒグマ出没もありハスカップ摘みをする人も減少する中、ホザキシモツケの繁茂で薮漕ぎもままならない状態。かつハスカップが枯れ始めている様子散見。

そんななか、サンクチュアリ西のミズゴケブルト上の実生ハスカップを目指したコモンズ探検隊は、火山灰砂丘で薮漕ぎを断念、記念撮影。

Re: 5/17 ハスカップ自生地探検隊

かつての2019年以前の様子は『ハスカップとわたし』に詳述。

サンクチュアリの自生の様子はこの分布図参照(上述書204p)。

自生地の盛衰は要観察。星野先生帰国後、相談の予定。週末5月24日もハスカップ関連作業でしたが、中止して事後対策検討へ。

ハスカップサンクチュアリ一帯の乾燥は安平川の治水効果

昭和55年頃の、いすゞ自動車立地に伴う開発行為において、旧苫東が行った環境アセスでは、ハスカップ群落のある安平川(下流右岸)湿原の地下水を涵養するため、数kmの「環境維持水路」をミチゲーションとして掘削。柏原幹線排水路の水が導かれた。

しかしやがてじわじわと涵養されていない状況に。原因は柏原幹線排水路の水位低下と不定期な洪水(氾濫)がなくなったこと。さらにそのもとは排水路が接続する安平川の流量減。治水効果=ハスカップサンクチュアリの消滅へ。これはもう逆もどりできないのではない。

これから行われる河道内調整池の工事で地下水涵養が果たして可能か。もしできるとすればそれまでハスカップ群落はもつのか。一方でラピダス用の取水も始まるので、可能性は極めて低いのではないか。

それにしてもかつて洪水のたびに一か月も水をかぶっていたあの状態が、ハスカップ自生地を維持しホザキシモツケの優性化を押さえていたことになるが、禍福、陰陽のたとえどおり。




上記に関する身近な関連レポート

安平川湿原の水収支についての抄録、および残存フェン群落の変化についてのレポート(矢部先生、中村太士さんらによる)は下記のとおり。

水収支
http://limhokkaido.web.fc2.com/abstract21/21-1.pdf

フェン群落変化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hozen/15/1/15_KJ00006393625/_pdf/-char/ja
(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)